「よん」と「し」
「なな」と「しち」
の使い分けのルールは、何ですか?
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原則として、漢語や漢文脈では「し」、「しち」。
和語文脈では「よん」、「なな」です。
「七人」は漢語なので、「七人の侍」は「しちにん」の侍。
「ななにん」の侍とは言いません。
赤穂浪士の「四十七士」も「しじゅうしちし」です。
「よんじゅうななし」とは言いません。
和語文脈の場合に、「よん」、「なな」が使われますが、
電話や伝言などでの聞き間違いを防ぐために
漢語でもわざと「よん」「なな」を使うこともあります。
上記はあくまでも原則であり、慣習によってかなり
変わります。例えばビルの「四階」「七階」は、漢語なので
「しかい」「しちかい」と読むのが本来ですが、
口語として「よんかい」「ななかい」と読む慣習が
定着しています。
逆に「四海波静か」は「しかいなみしずか」であり、
「よんかい」とは言いません。
2-е объяснение----------------------------
NHK放送文化研究所のサイトで、数字の発音・読み方について詳しく解説されていますので、ヘタな回答よりもわかりやすいとおもいますので、ご紹介します。
ことば(放送用語) > 放送現場の疑問・視聴者の疑問 > 「2007年」「平成19年」の読み
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・・・≪前略≫・放送での数字の発音・読み方については、数字だけの単独の場合の発音と数字の後に名詞(助数詞や単位)が付く場合の発音とは、必ずしも同じではありません。
数字の単独の場合の発音のうち、基準となる10以下の整数の発音は以下のとおりです。
0・・・・・・・・・レイ
1・・・・・・・・・イチ...............6・・・・・・・・・ロク
2・・・・・・・・・ニ..................7・・・・・・・・・ナナ(シチ)*
3・・・・・・・・・サン... ..........8・・・・・・・・・ハチ
4・・・・・・・・・ヨン(シ)* ...9・・・・・・・・・キュー(ク)*
5・・・・・・・・・ゴ................10・・・・・・・・・ジュー
<注*4[ヨン(シ)] 7[ナナ(シチ)] 9[キュー(ク)]は、原則として[ヨン][ナナ][キュー]と初めの発音を優先するが、場合により( )内の発音つまり[シ][シチ][ク]と発音してもよいことを示す。>
..しかし、これらの数字の後に名詞(助数詞や単位)が付く場合の発音・読み方には、それぞれの語の伝統的な独自の読みや慣用があり、単独の数字の発音と一致するとは限りません。数字の後ろに「年」が付く場合も、その1つです。
..このように数字に名詞が付く語のうち、読みを間違ったり迷ったりしやすい語の発音について『NHKことばのハンドブック 第2版』は「色[イロ]」から「椀[ワン]」まで200に及ぶ語の用例を示し、このうち数字に助数詞の「年」が付いた場合の読みについては、以下のように示しています。
1 イチ.. 2 ニ.. 3 サン.. 4 ヨ ..5 ゴ.. 6 ロク
7 シチ(ナナ).. 8 ハチ ..9 ク(キュー).. 10 ジュー
この原則に従い・・・
2007年の読みは (1)ニセンシチネン(2)ニセンナナネン
(平成)19年の読みは(1)ジュークネン (2)ジューキューネンです。
この(1)(2)は、それぞれの語の発音・読み方の優先順位を示します。これは、原則として放送では(1)の読みを第1の基準とし、(2)の読みは許容―つまり場合により許される発音ということです。
..ところで、ニュースや番組の内容をより分かりやすく聞き取りやすくするために、実際の放送では数字の読み方とあわせて「平成19年、2007年は…」、あるいは「団塊の世代と言われる人たちの多くが定年を迎える今年、2007年は…」など、状況や場合により語を重ねたり言い添えたりする表現上の配慮と工夫も必要です。
(『NHKことばのハンドブック 第2版』p.329~363参照)